寄付を「市場」として考えてみた

こんにちは。

いま寄付に関して、いろいろ調べておりまして。

調べていく中で思ったことや、ここからどういう風になったら面白いか、てのを書いてみたいと思い筆をとりました。

寄付に関するデータ

日本ファンドレイジング協会さまよりテキスト及び図を引用。)

個人寄付の規模は2014年で7,409億円です。

2014年1年間を通して、寄付や会費を支払った個人は全体の43.6%で、平均の寄付額は17,215円。中央値は2,300円。

私個人が思ってたよりは大きい数字でした。

下図は「寄付先を選ぶ際に重視したこと」のグラフです。

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寄付先を選ぶ際に重視したこととしては、「寄付金の使い道が明確で、有効に使ってもらえること」、「活動の趣旨や目的に賛同・共感・期待できること」、「寄付の方法がすぐにわかり簡便であること」が上位にあげられた。いずれの上位項目も2009年、2010年からパーセントが低下している(2011年、2012年は調査していない)。一方、「多くの人たちが寄付していること」や「領収書が発行されること」、「税の優遇措置が受けられること」は、回答割合は低いが、上昇傾向にある。
寄付金額別でみると、50,000円以上の寄付者では、「活動の趣旨や目的に賛同・共感・期待できること」が5割以上であり、最も高い。また、寄付金についても確定申告をしている人では、「税の優遇措置が受けられること」「寄付者に対する特典があること」「領収書が発行されること」が「寄付の方法がすぐにわかり簡便であること」よりも上位となっている。

使い道が明確で、その寄付先の活動に共感できて、寄付の手続きがカンタンであるのが、寄付において欠かせないTOP3であるようです。

別のところの寄付に関する調査も参考にしてみます

次は内閣府NPOホームページさまより引用。2014年のデータです。

• 寄附を行った理由としては、「社会の役に立ちたいと思ったから」(65.9%)が最も高い。

• また、「町内会・自治会の活動の一環として」(30.8%)、「職場の取組の一環として」(14.6%)と 身近なところからの依頼によって寄附を行っていることもうかがえる。

• 効果が見えにくいことや寄附先団体・NPO等への不信感、経済的負担が寄附の妨げとなって いる。

寄付を妨げる要因として上位にあったのが、この3つです。

・寄附をしても、 実際に役に立っていると思えないこと(35.4)

・寄附先の団体・NPO等に対する 不信感があり、信頼度に欠けること(32.5)

・経済的負担が大きいこと(31.0)

手続きうんぬんより、そもそも「寄付先自体や、寄付の効果の不透明さ」が大きいみたいですね。

 

国全体としての社会意識も併せて見てみる

上を踏まえて次に見たのが内閣府の「社会意識に関する世論調査」でした。

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基本的に社会志向(国や社会のことにもっと目を向けるべき)が優勢の中で、働き盛り世代(20~49歳台)の個人志向(生活の充実をもっと重視すべき)の割合がまあまあ高いのが納得感高い。

 

上のデータを見て思ったこと

以前書いたクラウドファンディングに関する内容と重複する部分もありますが、

「あなたの寄付がどんなことに役立つのか」とか「何に使うのか」、もしくは「寄付してくれたことへの直接リターン」ていうのを出せる範囲で構わないので、見せてあげるほうがいいのかも。

(人件費に使います、とか身内の事情は別に書かなくていいにしても。)

:発展途上国とかの支援をやるNPOは寄付の効果が明示しやすいし、年季の入ってるNPOは見せ方がウマいなーといつも思っています。

あとは活動内容や団体について発信するポイントを増やしていく、ということなんでしょうね。

とっても地道な活動で効果が見えにくいし、何よりメンバーがいちばんめんどくさがるところではあるんですが。。

 

くだんの日本ファンドレイジング協会さんは、2020年までに寄付市場を10兆円にする、と息巻いているようですが、あと3年ですけど大丈夫ですか。。

 

じゃあ自分はどうなん?て話なんですが、

私は寄付をしたことが数えるほどしかありません。だって生活的にそんな余裕ないから。

それは上のデータが証明している通りで、「効果が不鮮明で」「活動内容にあまり共感していないから」です。データ嘘つかない。

いや活動内容に共感はしているんだけど、「寄付をするまでの強烈なエンジンが自分の中にない」と言ったほうが正確かもしれません。

 

私は寄付じたいは価値のある行為だと思いますが、これまで寄付していない層を寄付させようとしたいわけでは別にありません。だってその人の大事にしている生活とかあるだろうし。

私が問題だと思っていることは、寄付以外の社会的活動をしている団体への支援策がこの何十年「寄付」「ボランティア」しかない、ということが問題だと思っています。

クラウドファンディングがありますけれど、あれは大きな変化でもなんでもなく、これまでの「寄付」がたまたま「オンライン」で、「見つけられやすく」できるようになっただけです。

しかもあれはプロジェクト単位でしか支援を募れなくて、いわば「毎日がプロジェクト状態」のNPOを支援できてるとはとてもじゃないけど思えません。

せっかく支援したお金もプロジェクトで決めた金額達成できなきゃもらえない、てのもタチが悪い。

 

なんか文句言っているだけみたいになっちゃいましたが、

上で挙げた課題をぶっ壊してくれるような新しいNPO支援の形がきっと現れると願っています。